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第14回SDGs勉強会 紛争後アフリカ地域社会で若者が紡ぐ未来

2020年11月7日実施 

国連フォーラム関西支部 第14回SDGs勉強会

紛争後アフリカ地域社会で若者が紡ぐ未来
~人間の安全保障と私たちの役割~

開催報告

2019年11月3日(日)に、関西学院大学梅田キャンパスにて、『紛争後アフリカ地域社会で若者が紡ぐ未来~人間の安全保障と私たちの役割~』を開催致しました。そのご報告をさせて頂きます。

【イベント概要】 

《企画背景》

 今年8月末に第7回アフリカ開発会議(TICAD VII)開催され、アフリカに関する様々な議論が行われました。最終日には、横浜宣言2019が採択され、人間中心のアプローチの重要性が確認されました。本企画は、TICADの議論の根底にある「人間の安全保障」について再度考え直し、私たちはどのように関わっていくことができるかを考える機会を提供するものであります。

 アフリカでは現在も紛争が継続している地域が複数存在します。そのような地域社会では、様々な不安定要素が存在し、安全が保障された状態であるとは言い難いです。そのような現実に際して、特にアフリカの将来を担っていく70%を占める若者にとって、安全が保証された状態とは何か。そして、人間の安全保障の確保のためには、市民組織から提出された要望書でも要請されていたように、私たち市民社会が協力していくことが重要となると考えます。

 アフリカの開発・国際協力に関わっていく上で、私たちは「人間の安全保障」とは何かという具体的なイメージを持ち、現地の地域社会との関わり方を考えることが重要であります。そこで、「人間の安全保障」とは何かを問い直し、NGOの紛争後アフリカ地域社会における支援活動を通じて、参加者が「人間の安全保障」の確保のために自身がどう関わることができるかを考えるため、本勉強会を企画致します。

《企画目的》

対象:アフリカ地域社会における人間の安全保障および紛争後平和構築に向けた取組みについて関心のある高校生、大学生、大学院生、社会人。

企画目的:

【企画目的】

  1. 「平和と安定の強化」に関するTICADの議論を背景に、アフリカの紛争後社会に対する具体的な支援活動と、現地の人々の「安全」とは何かを知る。
  2. 人間の安全保障の多面的な概念を整理し、アフリカ地域社会と自身との関わり方を考える上で、重要となる観点は何かを考える。
  3. アフリカ地域社会と参加者自身との関わり方を再考し、行動に結びつける。

 

 ※ 第13回勉強会で考えた「アフリカにおける国際協力と私の関わり」から一歩踏み込み、人間の安全保障という観点から関わり方を再考する。

 

《イベントプログラム》

【日程】2019年11月3日 13:00~17:00

【場所】関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1004教室

【イベントプログラム】

1.オープニング

2.イントロダクション

3.第一部:秋葉氏による基調講演

4.第二部:栗栖氏による基調講演

5.第三部:グループディスカッション

6.クロージング

7.ネットワーキングタイム

《ゲスト》

・秋葉光恵 氏

NPO法人アクセプト・インターナショナル事務局長

London School of Economics and Political Science(LSE) 開発学修士課程修了。社会的弱者のエンパワメントはじめ心理学的アプローチによる社会変革と質的調査が専門。学生時代からWorld Summit of Nobel Peace Laureatesへの日本代表としての参加、バングラデシュ・グラミン銀行でのインターンなどに取り組む。新卒で独立行政法人 国際協力機構(JICA)に入構。学校現場における国際理解教育やSDGsの普及啓蒙活動にも携わる。2018年11月より現職。

 

栗栖 薫子

神戸大学大学院法学研究科教授

上智大学外国語学部(国際関係論副専攻)、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で国際関係論を学ぶ。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専攻・修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専攻・博士課程単位取得退学、ケンブリッジ大学国際問題研究所・客員研究員。2006年に大阪大学より博士号(国際公共政策)。九州大学大学院比較社会文化研究科・助手、神戸大学国際文化学部准教授、大阪大学大学院国際公共政策研究科・准教授を経て、2009年10月より神戸大学大学院法学研究科教授。東京大学大学院総合文化研究科・客員教授。専門は国際関係論。研究テーマとして、人間の安全保障や非伝統的安全保障問題、防災や減災における企業の社会的責任、日本の国連外交、国際制度論など。

 


【開催報告】

《オープニング》
  • 久木田氏より開会のご挨拶
  • ゲスト紹介
  • 秋葉光恵氏
  • 栗栖薫子氏

▲ 司会は、国連フォーラム関西支部の纐纈が務めました。

  • イントロダクション(企画背景や目的について)

 冒頭のイントロダクションでは、国連フォーラム関西支部の岡崎が、「人間の安全保障」についての基礎知識の紹介をしました。

 「人間の安全保障(Human security)」とは、「人びと一人ひとりに焦点をあて、その安全を優先するとともに、人びと自らが安全と発展を推進することを重視する考え方」(緒方貞子氏)のことです。グローバル化・相互依存化が深まる現代において、従来の国家を中心に据えたアプローチでは不十分になってきており、「人間」に焦点をあて、様々な主体及び分野間の関係性により横断的・包括的に捉えることが必要です。  今年8月に開催されたTICAD7や、持続可能な開発目標(SDGs)においても、人間の安全保障の概念は反映されています。

《第1部 秋葉光恵氏の講演

第一部では、秋葉氏に所属するNPO法人アクセプト・インターナショナルの活動内容や、テロやギャングが発生する背景とその解決アプローチを「人間の安全保障」の観点に照らしてオンラインでご講演いただきました。

  •  「~テロと紛争の解決に向けて~ NPO法人アクセプト・インターナショナル  加害者とされる側を受入れる取り組み」 秋葉光恵氏

 

 世界で起きるテロのうち、90%以上が紛争地で発生していると言われ、過去20年間でテロの件数は約12倍、死傷者は約6倍に上っています。その背景として考えられるのは、1990年代以降のイスラム過激派組織の台頭です。ソマリアでは、イスラム過激派主義アルシャバーブの支配領域が拡大し、単発爆破テロ史上最悪の死者580名を出したテロが発生し、戦争宣言が出されました。

▲秋葉氏による講演の様子

 しかし、テロの解決は従来の政府軍対反政府軍という構図の対立よりも難しいとされています。その原因は、イデオロギー的なバックグラウンドの違いが大きいこと、徹底抗戦を望むのでグループのトップ同士の対話が困難であること、テロ組織は組織体制がアメーバ状に広がっているので、トップダウンアプローチの効果が限定的であること、などが挙げられます。これに対して国際社会は未だ有効なアプローチを見いだせておらず、取り組むNGO・NPOは少ないのが現状です。

 そのような状況の中、「排除するのではなく、受け入れる」をコンセプトにテロと紛争の解決に向け、活動しているのが、NPO法人アクセプト・インターナショナルです。①過激化させない(テロに参加する人を増やさない)②脱過激化・社会復帰をさせる(元々テロ組織に所属していた人が社会参加できるようにする)の二つの活動から、テロ組織の人的資源を減らしテロ解決のための好循環を生み出すことを狙いとしています。

 本日は、その中でもケニア事業部での活動を中心にご説明します。

 ケニア事業部では、「ギャングを社会改革のリーダーに」をコンセプトに活動しています。世界的難民受け入れ国であるケニアでは、隣国のソマリアから多くの難民が流入しており、現地で生計を立てています。しかし、イスラム過激派主義アルシャバーブの影響から、ソマリア人=テロ主導者であるとのレッテルを貼られ、地域社会から差別を受けており、怒りや孤独感からギャングとして活動している若者が多く見られ、薬物や強盗・窃盗を起こし、社会との不和が発生しています。

 これに対し、当団体では、カウンセリングや薬物更生プログラム、就労支援などさまざまな活動を通して、ギャングを脱過激化させ、平和構築のリーダーへと変えていこうとしています。中でも主軸においている活動が、「意識改革プログラム」です。ここでは、自らを取り巻く問題について解決策を議論し、どうしたらその問題が解決できたのか、アクションを通して考えます。

 また、差別や社会的断絶から生じる絶望や孤独感からギャングの集団に加入してしまう若者も多いことから、ギャング以外のアイデンティティを形成することが大切で、当会では、ギャング集団の解体式やフットボールチームの結成を行っています。

秋葉氏からご講演いただいたあと、国連フォーラム関西支部から二点質問をさせていただきました。

Q.ギャングの若者などのエンパワーメントを行う上で、気を付けていることは何ですか?

A.彼らに上からの更生を行うのではなく、あくまでも彼ら自身の自発的な気づきに基づく、内からの更生を行なうことを目指すことです

Q.私たちがテロと紛争を止めるためにできるアクションは何ですか?

A.今すぐにできることではないかもしれないが、問題分析をもっと行うことです。紛争と一口にいっても、一つ一つの紛争で背景は異なりますし、そこに暮らしている一人一人の事情は異なるものです。机上の空論で議論せず、しっかりと内情を分析することが大切です。また、実行できる具体的なアクションとしては、NPOへの協力などがあります。当会においても、ボランティアやメンバー、アンバサダーといった制度が存在しています。

会場からの質疑応答では、ギャングの構成員における男女の差が指摘されました。秋葉氏はギャング集団に女性の構成員はほとんど存在せず、表立って活動している人の99.9%以上が男性であると回答し、同世代の女性はおそらく家の稼業を行なっており、インフォーマルな形式での雇用が行われていると言及されました。また、就労支援活動を行っているが、プログラム修了後はどのような就職先で働いているのか、という質問も上がりました。秋葉氏は、ケニアの就労率は6割と、元ギャングでなくても職を得るのが難しい状況の中で、元ギャングの方が初めの職に就き、違法な手段をとらずに生活ができるようにするのを意識していると踏まえた上で、生計を立てるための具体例として、地域の商工会議所のような場所やスマ―トフォンの修理の職(アクセプト・インターナショナルの就労支援にスマートフォンの修理スキル講習がある)などが挙げられました。

《第2部 栗栖薫子氏の講演

第二部では、神戸大学大学院法学研究科教授である栗栖氏より「人間の安全保障」の理論的概念と、実際の国際協力の現場において、どのように人間の安全保障の考え方に基づいたアプローチが行われているかついてご講演いただきました。

  • 人間の安全保障の概念について」 栗栖薫子氏

 はじめに、人間の安全保障と人間開発の関係について説明します。人間開発において、人の成長志向というのは、右肩上がりに上がっていくものでありますが、成長志向が下がってしまう局面というのが存在します。そうしたダウンサイドのリスクに対して、どのようにアプローチをするのかが、人間の安全保障であり、コインの両面として、人間開発を下支えするものなのです。

 1990年代半ば、旧ソ連地域、アフリカなど世界で紛争が多く発生しました。その際になぜ武力紛争が起きてしまうのかといった議論や、それに対応するためには開発アプローチが大切であり、”人々”に焦点をあてて考えることが必要であるとの主張がなされました。そのような考え方のもと、1994年に国連開発計画から出されたのが、「人間開発報告書」です。ここでは、人間の安全保障の7つの側面が示され、これ以後、多くの研究者や政府などが人間の安全保障という言葉を使うようになりました。

                             

▲栗栖氏による講演の様子    

 2003年には、日本のイニシアティブで「人間の安全保障委員会報告書」が提出されました。そこでは人間の安全保障とは、「人間の生にとってかけがえのない中核部分を守り、すべての人の自由と可能性を実現すること」と定めています。人間の安全保障については三つの重要な観点があります。一つ目は、「欠乏からの自由」です。これは、職業があることや最低限の食料があることです。二つ目は、「恐怖からの自由」です。これは武力紛争下での人道的サポートや、迫害を受けないことなどが該当します。三つめは、近年重要であると言われている「尊厳を持っていきる自由」です。文化や宗教、多様な側面からの尊厳をもっていることがこれに当たります。「尊厳を」の解釈は、Caring and waitingという立場もあり多様な考え方があります

 人々の「保護」と「エンパワーメント」のためには、上記で述べた3要素を考慮して、状況が悪化する危険性にきめ細やかく配慮する必要があります。さらに”人々”を中心に安全問題を捉え政策的考慮の対象とすること、「最も脆弱な人々」に焦点を当てること、個人だけでなくコミュニティーも対象とすることに加え、分野横断的な対応をすることが重要です。

 この報告書を受けて、日本では、ガイドラインを策定し、人間の安全保障の考え方を政策レベルに落とし込んでいきました。その一つが2005年の日本のODA中期政策です。ここでは、”人々”を中心に据え、”人々”に確実に届く援助をする、地域社会を強化する、人々の能力開発を重視するなどが定められています。

 2012年には国連総会において人間の安全保障決議が取られ、人間の安全保障の定義について、包括的で、文脈に応じた予防的な対応をすること、平和、開発及び人権の相互関連性をもつものであること、政府の第一義的責任があるものであること、などで加盟国間での共通理解が図られました。現状、国連において各国政府がそれぞれの政策として人間の安全保障を履行することを強制する力はなく、NGOを含め他のアクターも同決議に拘束されるわけではありません。これからの報告書を参考に、それぞれの組織や個人にとって、どのような行動指針につながるのかを検討する必要があります。

 NGOの活動とは、現地の人々に直接届く活動であり、人間の安全保障の考え方は、NGOにとって当たり前であることが多く含まれます。しかし、JICA研究所プロジェクトによるあるNGOへの聞き取り調査においては、「NGOsは普段は特定の問題に取り組んでいる。人間の安全保障は包括的なアイディアであり、それまで個別に扱われてきたような。本来は関連するすべての問題をあわせて考え直す機会を与えている」と人間の安全保障の考え方がNGOに及ぼす有益性を示唆しました。

 国際紛争やテロなどの解決には、アクターの動機や国家の政治・経済・社会、グローバルな構造など、複雑な要因とプロセスの理解が必要であり、非常に複雑で重層的に重なり合っています。

 会場からの質疑応答では、人間の安全保障の概念をめぐり国家間で論争が行われた際、カナダは発信力が強く、ネットワーク構築も上手だったが、日本は発信力が弱かった。という説明があったが、その背景にはどのような違いがあるか、という質問がなされました。栗栖氏は、「カナダは関心を持ちそうな諸国に働きかけて、一緒にアジェンダを掲げて世界的にアピールするのが上手です。対して日本は、近年は力が上がってきたように思われますが、市民社会との連携が弱いです。日本語中心の社会であり、日本の中で意見が完結してしまい、国際社会へのアピール力が足りなかったと思われます。」と述べられました。

続いて、他国では尊厳をもって生きる自由は、法の分野でどのように定められているのか、他国ではどのような政策的アプローチがなされているのか、という質問がなされました。それに対して栗栖氏は、「尊厳をもって生きる自由をどう捉えるかにもよるが、社会でどのように実現していくのかという点では、それぞれの社会に根ざした安全保障の形があります。必要なのは人間の安全保障という言葉ではなく,人間の生活がどのように保障されているのかというのが重要であります」と指摘されました。

《グループディスカッション》

今回のグループディスカッションでは、参加者がさらに理解を深め、自分たちの関心分野において、どのように人間の安全保障の観点を取り込んで実践するかについて再考し、今後の行動指針に役立てることを目的にワークを行いました。まず初めに、参加者の方に一つご自身の問題関心のあるテーマを選んでいただき、その問題に対して、どのような”個人”の脅威があるのか、人間の安全保障の多角的な視点から分析していただきました。その後、現在ご自身が抱いている問題に対するアプローチについて、4人程度のグループで共有していただき、そのアプローチについて、人間の安全保障の「恐怖からの自由」「欠乏からの自由」「尊厳を持って生きる自由」の観点から分析していただき、参加者の挙げたアプローチをさらに深めたり、今まで見落としていた観点はないか議論しました。そして最後に、各グループから代表者一人が、グループディスカッションをする中で、人間の安全保障の観点で意識した点や新たな気づき、感想などを全体に共有していただきました。以下に参加者の声として各グループの代表からの発表を報告させていただきます。              

▼グループディスカッションの様子

A班

 グループディスカッションを通して、自分の抱いていたアプローチがさらに深まったので良かったです。私は、紛争地域でのジェンダーにおける経済的脅威について興味があり、紛争地域には力仕事が多く、女性は職に就くのが難しいのではないかという疑問を抱いていました。班の中で議論し、女性が職に就くには、スキルトレーニングが必要ではないか、という意見が出ました。また、このスキルトレーニングを国家レベルでのプロジェクトにすることもできるし、スキルトレーニングをする以前に、もっと教育が必要な人もいるかもしれないので、そこにアプローチすることも可能です。職を得るという点で色々なアプローチ法があることが分かりました。

B班

私は、アフリカについてあまり知らなかったが、B班では子ども兵や紛争地区での教育・いじめの問題について話し合いました。日本ではいじめが発生しているが、逆にアフリカではみんなが団結していていじめなどは少ないのではないかという意見も出て、日本とアフリカの違いが見えてきました。また、NGOの活動がロールモデルとなって、国連の活動につなげられるのではないかと思いました。

C班

 C班では、アイデンティティに焦点をおいた話合いをしました。ネガティブなアイデンティティをいかに、ポジティブなアイデンティティに変換していくかという話で、社会に認められる、というのが大きな効果をもつのではないかと思いました。また、ギャングが自分自身の意見を政府や社会に届けることができる環境を整備することも、”社会に認める”という過程のなかで重要なアプローチではないかと思いました。

《クロージング》

講評

最後に、講演やグループディスカッション、その後の意見共有を踏まえ、国連フォーラム共同代表の久木田氏とゲストの栗栖氏より講評を頂きました。

 久木田氏は、「今回は、加害者と言われるギャングの尊厳について考え、イノベイティブな活動を行っているアクセプト・インターナショナルさんの話に加え、栗栖先生による先端な人間の安全保障の話があり、とても良い内容だったと思います。なぜソマリアのような地域ができてしまったか、その背景には、世界的な経済構造である資本主義の影響があります。資本主義のしわ寄せとして、ものが奪われた難民が発生し、そうした脆弱な環境にある人々は、今の社会や豊かな世界に対して憎しみを抱き、そのような社会を壊そうとしてテロという行為を取ります。複雑に絡み合う問題がグローバルな視点で議論されていて良かったです。」と述べられました。

 また、栗栖氏は、「ソマリアは世界から最も見放された国です。そうした社会の中でギャングは生まれ、彼らもまた地域から見放された人たちです。人間の安全保障について考えるとき、加害者の保護も考えるというのは、とても良い話であったと思います。社会復帰にはやはり、一人の人間として認められることが重要であると考えています。また、テロ組織に所属する末端の人たちは、単身者であったり、祖国から離れて暮らしていて、周りに友人がいなかったりと、社会から疎外されている人たちがとても多く、友達を求めて加入してする人もいます。いかにして疎外感をなくし、社会復帰させるのかが重要であると思いました。」と述べられました。

 

《参加者の声》

本勉強会にお越し下さった皆様からは、多くのご満足いただいた意見を頂きました。本報告で、一部をご紹介させていただきます。

・たくさんの人のアフリカ・貧困などに対する価値観や考え方を聞けたので良かった。

・具体的な事例を知ることでケニアにおけるソマリア人の現状を知ることができた。また、問題構造を分析することが重要だと学んだ。

・人間の安全保障について新たな視点が学べた。

・あまり学校では、人間の安全保障について学ぶ機会がないので、今回で自分の人間の安全保障に関する知識をより深められたから良かった。

・とても貴重なお話を聞かせていただいた上に、ゲストスピーカーの先生方や参加者の方と話す機会がとても勉強になった。

 

 


この度「国連フォーラム関西主催『紛争後アフリカ地域社会で若者が紡ぐ未来
~人間の安全保障と私たちの役割~』にご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

今回残念ながらご参加頂けなかった皆さまも、次回以降の勉強会のご参加をお待ちしております。

国連フォーラムは引き続き皆さまに有意義な「場」を提供できるよう努めて参ります。今後とも、国連フォーラム関西支部をどうぞよろしくお願いいたします。

最後に、多くの方のご協力で、今回のイベントを開催することが出来ました。ご協力してくださったゲストの方、参加者の方に厚く御礼をお申し上げます。

 

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ネットワーキング・カンファレンス2018年

国連フォーラム関西特別企画『人とつながる。世界とつながる。Networking Conference in 関西』

2018年3月18日 実施

国連フォーラム関西特別企画
『人とつながる。世界とつながる。Networking Conference in 関西』

2018年3月23日(土)に、関西学院大学大阪梅田キャンパスにて、国連フォーラム関西特別企画『人とつながる。世界とつながる。Networking Conference in 関西』を開催いたしました。そのご報告をさせていただきます。

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ネットワーキング・カンファレンス2018年

〈参加者〉50名

〈ゲスト〉
SDGパートナーズ 代表取締役 CEO 田瀬 和夫 氏
関西学院大学院教授 久木田 純 氏
UNOCHA 神戸事務所長 渡部 正樹 氏
WHO健康開発総合センター医官 茅野 龍馬 氏
サラヤ株式会社 海外事業部アフリカ担当 森 窓可 氏
認定NPO法人テラ・ルネッサンス 栗田 佳典 氏
アマルプロジェクト 岩元 晴香 氏
大阪市立大学アイセック 三上 諒子 氏
SGH高校生(葺合高校/関西創価高校)(2名)

〈コンテンツ〉
【第一部】
◆①講演セッション:『キャリアトーク』
(学生の部)
・登壇者
  アマルプロジェクト:岩元 晴香 氏
  大阪市立大学アイセック :三上 諒子 氏
  高校生:2名 
それぞれの学生団体、高校であれば学校やスーパーグローバルハイスクールの取り組みを説明いただいたのち、パネルディスカッションで、将来へのビジョンや、大切にしている価値観などお話していただきました。
(有識者の部)
・登壇者
  UNOCHA神戸事務所長:渡部 正樹 氏
  WHO健康開発総合センター医官:茅野 龍馬 氏
  サラヤ株式会社 海外事業部アフリカ担当:森 窓可 氏
  認定NPO法人テラ・ルネッサンス:栗田 佳典 氏
それぞれの所属団体に関する概要を説明いただいたのち、パネルディスカッションで、大切にしている価値観ついて等、お話していただきました。

 

【第二部】
◆①国連フォーラム共同代表による基調講演
「国連フォーラムのこれから ~来るべきSDGs達成の2030年に向けて~」
・登壇者
  SDGパートナーズ 代表取締役 CEO:田瀬 和夫 氏
  関西学院大学院教授:久木田 純 氏
国連フォーラム設立の経緯から、今後の展望に関してお話いただきました。

◆②人とつながる。トークセッション
あなたが思う、持続可能な世界とは?」
「持続可能な世界の実現のために、具体的にどう取り組むか?個人としてどう関わりたいか?」
をお題に、グループに分かれ、ディスカッションが行われました。

 

〈アンケート〉
参加者の皆様からのアンケート結果を一部抜粋してご紹介いたします。
海外に関心がなかったのが、実際に現場を見たくなった。
国際機関だけではなく、企業でもSDGsの活動を行っていると知ることができた。
世界により目線を向けている学生達と出会えて、刺激になり、勉強に励もうと思った。
”ラベルよりコンテンツ”という考え方が今まで欠けていたので、新たな考え方をえることができた。
「大変優秀な学生が多く関西にいることを見れてうれしかったです。」
もっと悩んで混乱しようと思った。いろいろなことを知ろう!と思った。

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お越しくださった皆様、誠にありがとうございました。今回残念ながら参加ができなかった方も、次回以降のご参加をお待ちしております。今後とも、国連フォーラム関西支部をどうぞよろしくお願いいたします!

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第1回SDGs勉強会「『貧困』を多角的に考えよう」

2016年3月18日実施

国連フォーラム関西支部 第1回SDGs勉強会

『SDGs #1「貧困」を多角的に考えよう』

開催報告

去る3月18日、国連フォーラム関西 第一回勉強会「SDGs #1『貧困』を多角的に考えよう」を開催いたしました。

本イベントでは、

久木田純氏(関西学院大学教授、元 UNICEF カザフスタン事務所所長)

村田俊一氏(関西学院大学教授、元国連アジア太平洋経済社会委員会事務局次長)

大西靖典氏(JICA関西所長)

渡部正樹氏(OCHA神戸事務所所長)

という4名のゲストをお招きして、様々な観点からSDGsターゲット⑴貧困削減に関して議論を行いました。

お忙しいところ、中学生から社会人まで非常に多くの方々にご参加頂き、誠にありがとうございます。以下、本イベントの報告をさせていただきますのでどうぞご覧ください。

 

【イベント概要】

《企画概要》

イベント名:SDGs #1「貧困」を多角的に考えよう

日時   :2016年3月18日(金) 18:00~20:30

会場   :関西学院大学大阪梅田キャンパス  ( 大阪府大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階)

タイムテーブル:

 第一部(18:10~18:55) 講演会「”多角的に考える”貧困」

 第二部(19:00~19:55) パネルディスカッション(40分):質疑応答(15分)

                                テーマ「貧困撲滅のトランスフォーメーション」

 第三部(19:55~20:00) 総括

ゲストの皆さま:

 久木田 純 氏(関西学院大学教授、元UNICEFカザフスタン事務所所長)

 村田 俊一 氏(関西学院大学教授、元UNDP駐日代表)

 大西 靖典 氏(JICA関西 所長)

 渡部 正樹 氏(OCHA神戸事務所 所長)


【開催報告】

《第1部》
  • 講演―国際開発目標の経緯と背景(久木田氏)

MDGsからSDGsへの変遷を見ながら、その概要を紹介頂きました。中でも現代社会が抱える大きな問題である、環境問題と格差拡大―この課題を解決するにあたって重要な「トランスフォメーション」という視点の提示を行って頂きました。

《第2部》
  • 講演―貧困問題の多面性(村田氏・大西氏・渡部氏)

村田氏:SDGsが抱える課題とその複雑性についてお話頂きました。中でも、貧困削減のためには、グッドプラクティスを実践するコミュニティの視点、そしてRegionalな単位からの視点が重要であること、またそれをどう国際目標に結びつけるかが課題であるといった内容に関して議論して頂きました。

大西氏:これまでの現場での経験を踏まえ、貧困削減と経済成長との関わりについてお話頂きました。中でもアフリカやアジアにおけるインフラ事業の紹介、そして、産業のトランスフォーメーションの必要性と、貧困削減におけるインフラ・産業支援の意義について説明して頂きました。

渡部氏:SDGsと人道支援の関連性に関してお話頂きました。中でも、SDGsの原則の一つである「誰も取り残さない」という点は、人道問題にどう関わってくるのか、またその試練金となる今年5月の世界人道サミットの解説を行って頂きました。

《第3部》
  • 四者パネルディスカッション―貧困削減へのトランスフォメーションとは

<貧困削減へのトランスフォメーションとは>

本題を考える手始めとして、まずSDGsにおいても主要な論点とされている「貧富の格差」の構造をどうトランスフォームできるかということに関して議論を行いました。中でも、①発展・目標の実施スピードが異なる中、コミュニティレベルで議論することの重要性、②民間セクター、中でも企業がコアビジネスで援助に携わる重要性、③職と産業によって貧困削減をしていく重要性、といった点が議論されました。

<参加者が「自分事」として捉え、できることとは>

上記の議論を踏まえて、参加者がどのようなアクションを取ることができるのか考えました。問題に関心を持ち続けることの大切さに加え、SDGsで課題とされているようなことは日本国内に沢山あり、そのようや問題にも目を向け解決に取り組む大切さについて議論されていたことが印象的でした。

《参加者の声》

・ありがとうございました。社会人になっても国際協力の情報を得られる場所を探しており、私にはぴったりだと思いました。今後も勉強会楽しみにしています!

・これまでは、国連フォーラムのメルマガに登録していてもイベントは関東ばかりでとても残念に思っていたので、今回国連フォーラム関西が設立され、関西で勉強会を開いていただけ、とても嬉しく思います。今後もこのような機会があればぜひ参加させていただきたいです。

・とても貴重な時間だったと思います。学びがとても多かったので満足しています。ありがとうございました。

 

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みなさまと共にこのような場を作ることが出来たことを、とても嬉しく思います。

これからも国連フォーラム関西をどうかよろしくお願い申し上げます。

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