ウガンダ・スタディ・プログラム

オンラインブリーフィング開催報告 ~1月・2月~

 オンラインブリーフィング開催報告 ~1月・2月~ 

みなさんこんにちは。USPでは、オンラインにてウガンダで活動されている機関や団体、
専門家の方々からお話を伺うオンラインブリーフィングを、9月より実施しています。
1月2月は計3回実施し、現地で働く方々からお話を伺いました。その様子をレポートいたします。

①Save the Children Japan  松村拓憲様・日野愛子様・髙井明子様  

 Save the Childrenは、子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織です。現在、日本を含む29ヶ国の独立したメンバーが連携し、約120ヶ国で子ども支援活動を展開。子どもの権利のパイオニアとして、日本をはじめ世界中で子どもたちを支援を実施しています。本ブリーフィングでは、Save the Childrenとしての独自性と強み、難民の方々への保健及び教育分野での支援の方法やそのあり方、コロナ禍等の現状を踏まえた、現在の活動の課題と今後の方向性について詳しく伺いました。

 組織としての特徴はその国際的なネットワークです。拠点がすでにあるため、迅速な人道危機への対応が可能です。また現地パートナーの支援、子どもの保護・教育など専門的な支援と豊富な経験やノウハウを持つため、技術の横展開や政府への提言など、グローバルにプロジェクトを主導していくことが可能なのが強みです。  ウガンダでの事業で力を入れているのは就学前児童への対応で、教育分野・保健医療の分野で将来的な就学率向上につなげるための活動を行っています。その中でも、現地コミュニティとの対話、技術を現地スタッフに確実に移転すること、現地機関との協働を行うことが重要視されており、コロナウイルス流行のケースでもその点が大いに生かされたそうです。

 オンラインブリーフィングでは、ウガンダ現地ともつないでいただき、ウガンダの様子や現地スタッフのプロジェクト実施にかける強い思いなどを聞くことができ、私たち自身も励まされる思いでした。ホストコミュニティの支援や人を集められない現状を踏まえた新たな支援方法の試みが今後の課題であり、より持続可能でより裨益者の要望にこたえられるような活動を目指したいとのお言葉もいただきました。

②UNDP Innocent F.Ejoluさん他   

 国連開発計画(United Nations Development Programme)は、貧困の根絶や不平等の是正、持続可能な開発を促進する国連の主要な開発支援機関です。「国家にとっての真の宝は人々である」という信念に基づき人々や国々の能力を育てる活動を約170の国や地域で行っています。近年は特に、極度の貧困の根絶、不平等の是正、SDGs達成に向けた取り組みを支援することの3つに重点において活動を行っています。UNDPは社会、政府、国連システムからイノベーターを集め、繋げる、という役割を通して、開発課題を革新的なアイデアで解決するための情報センターの役目を果たしています。

 ブリーフィング当日は、UNDP Ugandaからも7名の職員の方にご参加いただき、多岐にわたるお話をうかがうことができました。中でも強調されていたのが未来計画としてYouth Unemploymentに対する取り組みです。ウガンダ人口の多くを占める若者の雇用機会を増やすための Youth for Business(Y4B)を政府とともに立ち上げ、若者のスタートアップ支援などを行っているとのことでした。また、withコロナの社会を見据えた市場や経済のデジタル化促進、クリーンエネルギー事業についても質疑応答を行いました。問題が複雑化する世の中において、分野横断的に、そして各機関の連携を深めながら1つ1つのプロジェクトに取り組んでいく重要性を学びました。また、本ブリーフィングについては、UNDP Africa のページで記事にしていただきました。ありがとうございました。

③Senga Sourcing  Agnes Aistleitner さん  

 本ブリーフィングでは、ウガンダで複数のソーシャルビジネスを展開されているAgnesさんにインタビューを行い、これまでの経歴や現在の活動についてお話を伺いました。彼女はオーストリアで18歳の時に最初に起業してから、現在20代後半の若さですでにウクライナ、ヨルダン、ウガンダでのソーシャルビジネスの起業を経験しており、昨年のJSPでも、TEENAHという彼女が立ち上げた難民女性とホストコミュニティの女性がコットンバッグをつくり販売する会社を訪問させていただきました。  

 ウガンダにも1年以上前から関わっており、実際に現地に住んでさまざまなビジネスの可能性を模索しているそうです。レアジョブと連携して教師を紹介したり、アグロソーシャルビジネスの起業家と一緒にエシカル商品の開発をしたり、Webサイトの制作をする会社や、若い女性に投資してファッションチャンネルの展開を支援したりするなど、複数の国でビジネスを展開してきた強みを生かしながら活動を行っています。  

 当日は主にAgnesさんの起業に対する動機や展望などをお聞きしました。ブリーフィング参加者からは、「途上国で起業するということについて、新しい知見を得ることができた」「Agnesさんは大学生で起業して行動力がすごいなと思っていたのですが、その原動力が好奇心や興味とおっしゃっていたので、自分もその気持ちを大切にして行動しようと思った」「アグネスさんの前向きで率直な生き方に感銘を受けた。自分自身で自分の人生を生きている感じが、とてもかっこいいと感じた。そして、世の中の課題を自分の課題とし、その国や世界を相手にどんどん社会をよくするビジネスを生み出していると理解し、この先のアグネスさんの人生も追ってみたいと思った」などの声が集まり、USPメンバーにとって刺激とモチベーションを得られるブリーフィングとなりました。