ヨルダン・スタディ・プログラム

6.4. 新規事業班

6.4. 新規事業班

6.4.1. 役割
新規事業班は、前期の資金調達班の活動を引き継ぎ「ヨルダンの現状、難民の課題について関心のない層にも課題を自分ごと化してもらう機会を提供すること」を主題として発足した。

上記の主題を実現するための目標として「2020年3月の時点で”やってよかった”とメンバー全員が思える事業を立ち上げる」「社会へのインパクトも提供する、特に日本の生活から一般的には遠く感じられるヨルダンでの難民を巡る諸課題を日本の様々なステークホルダーが自分ごと化できる機会を提供する」こととし、VR(Virtual Reality)画像の活用およびメディア媒体への渉外活動を行いつつ、新たな企画を検討し、試行錯誤しながら取り組んでいる。

6.4.2.活動
掲げた目標を念頭におき、具体的に行う活動は、下記の3つである。いずれもスタディ・プログラム史上初の試みである。

6.4.2.1.現地で撮影したVR画像を活用した企画及び広報

現地で撮影したVR画像を活用した企画及び広報現地で撮影したVR画像を活用した企画および広報については、まず現地で撮影したVR画像がどのようなことに使えるのかを技術面、内容面から検討した。その上で、現地の様子をより伝えられるよう報告会班と連携し、報告会開始前のアイスブレイク時の活用やYouTube チャンネル、SNSを通した広報材料として活用することとした。加えてホームページへの掲載も予定している。

スタディ・プログラムでVRを使用した初の試みとして、上記の通り出来ることを模索しながら取り組んでいるが、現地渡航していない人でも臨場感を味わうことができ、JSPメンバーが体感してきた現場の諸課題を自分ごと化してもらうためにも有効な広報手段となっている。

6.4.2.2. 訪問した国際機関、メディア媒体、NGOに向けた広報・渉外活動

訪問した国際機関、メディア媒体、NGOに向けた広報・渉外活動については、元々国際協力に関心のある方、又興味のない方も含め多くの方にヨルダンの現状や難民の課題に関心を持ってもらえるよう、お世話になった訪問機関の方やマスメディア、既に難民の課題に取り組んでいるNGOや団体にJSPの取り組みや渡航後報告会の活動を取り上げてもらえるよう交渉している。

6.4.2.3. 出張授業の実施
スタディ・プログラムにおいて初の試みとして、出張授業を実施した。JSPのメンバーが渡航前、現地渡航を通じて培った学びを、例年のスタディ・プログラムで実施する全国数カ所での報告会における情報発信から更に対象を広げて、全国の学校や自治体、団体に赴き授業の形で提供する試みである。授業の目的は、難民問題や国際協力にかかる関心や理解を深めること、異文化に対する理解を深め多文化共生の素地を作ること、異なる暮らしを知ることで自らの生活を見つめ直すこと、将来やキャリアを考える機会とすることである。

JSPでは関西学院大学、および桐蔭学園中学校にて出張授業を実施した。1月26日(日)に行われた関西学院大学での出張授業では、東ティモールへのフィールド調査を控えた学生を中心に、JSPの現地渡航の経験を生かし、渡航までのプロセスでの学びや、より充実したフィールドワークにする上で大事なことについて3人のメンバーが登壇して発表しました。参加者からは、「実践的な話、経験に基づいた話を聞くことができて参考になった」、「これからフィールドワークを行う上で必要な情報が得られた」との声をいただいた。2月8日(土)に行われた桐蔭学園中学校での出張授業では、杉原千畝氏について学んだ中学2年生85名に、「難民」を身近に感じてもらうことを目的として、ヨルダンで見聞きしたことを軸に、ヨルダンについてや難民について3人のメンバーが発表した。生徒からは、「世界にはこんなに難民の人がいることに驚いた」「難民が一般の人と同じように生活している人だと知り、難民のイメージが変わった」との声をいただいた。

新規事業班は文字通り、新たな事業を立ち上げ活動するため上記の役割を達成すべく試行錯誤しながら取り組んでいる。迷いやスムーズに進められないもどかしさもあるが試行錯誤すること自体に価値があり、多くの学びを得る機会となっている。

新規事業班の役割である「ヨルダンの現状、難民の課題について関心のない層にも課題を自分ごと化してもらう機会を提供すること」を果たせるよう、メンバーと協力し受け取り手の方に関心をもってもらえるよう活動していく。