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カンボジア・スタディ・プログラム報告書(目次はページ下にあります)

第3章:現地プログラム

第4節:交流・ツアー
第1項:アンロンベン地区における小学校の訪問(小学校の生徒約30人との交流)

現地での参加状況

現地プログラム2日目の11月19日(月)9:30〜11:00、カンボジア北部に位置するSantepheap村(アンロンベン地区)において小学校の生徒約30名と縄跳びやシャボン玉、折り紙などの方法で交流を行いました。小学校の生徒との交流を通じて、現地の農村における初等教育の状況を学びました。

CSP参加者感想@:瀧澤 菜美子さん

赤土の道の小さな村の小学校で、中庭での授業におじゃましました。挨拶の後、見本に皆で長縄を跳んでみせながら、年齢よりかなり幼く見える白いシャツ姿の子どもたちを見ると、少々戸惑った様子。クメール語の問いかけに笑い、ほぐれるのを見て、挨拶だけでなくもっと言葉を覚えてくればよかったと切に思いました。少しでも関わりたくて子どもたちを長縄に誘いました。二人の女の子の手を引き一緒に跳ぶと、初めてのことに尻込みしていた子の顔に笑みが浮かび、傍で見ている子どもたちからも笑い声が起きてとても嬉しかった!

順に一緒に跳ぶうち、呆然や驚きの雰囲気から、照れや笑いの表情へと変わり、非日常である我々の訪問を迎えてくれました。一緒に動くことで気持ちも近づく。寄り添えば応えてくれる。人は、生きる環境の中、周囲の人々との関係の中で育っていくことを再確認しました。率直な反応が多くの示唆を与えてくれた貴重な訪問でした。帰り道現地コーディネーターの方に伺うと、入学料は米5ドル、退学後も復学可能、就学率は高いが全員ではないとのこと。様々な状況の子どもたちが共生し、育ち合い、それを見守る村のあり方が印象的でした。

 

CSP参加者感想A:池田 孝志さん

もちろんこの小学校への訪問という経験を通しても、感じたことがたくさんあります。まず初めに、人としてのこころです。大きくなるにつれて、私たちは、知識や経験に雁字搦めにされて、人間として忘れてはいけない大切な“心”を忘れがちになると思います。でも、素直に自分の心を表現しているカンボジアの子どもたちを見て、もっと私たち人間一人ひとりは自分のこころと感性を大切にしていくべきだと感じました。頭ばかりで考えてしまうために、何かを犠牲にしていると感じました。わたしたちのこころが訴える言葉を大切にしていくべきではないでしょうか。

また、教育に対する考え方にも影響を受けました。僕の将来の一つの目標として教育者になり、世界平和へ貢献することがあります。前述したように、この訪問を通して、子どもたちの感性にとても刺激を受けました。そのため、将来教育者として生きていく上で、一人ひとりの大きな可能性を秘めた感性を大切にしていきたいと思いました。また、いろんな意味で、常に同じ位置からの視線をもって、そばに寄り添っていく姿勢、それこそが、教育があるべき本当の姿ではないのかと感じました。


 


カバーページ
目次と第1章「はじめに」

第2章:渡航前事前勉強会
 第1節:第一回勉強会
 第2節:第二回勉強会
 第3節:第三回勉強会
 第4節:第四回勉強会

第3章:現地プログラム
 第1節:概要・全体マップ
 第2節:ブリーフィング
  第1項: アジア太平洋地域の食料安全保障について(FAOアジア太平洋地域代表兼事務所所長:小沼 廣幸さん)
  第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について
      (元ユネスコ職員、JSPSバンコク事務所長:山下 邦明さん)

  第3項:MALISプロジェクト概要について(FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャー:Iean Russell博士
  第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて(6名の農協運営メンバー)
  第5項:カンボジア特別法廷と国際刑事裁判について
      (UNAKRT捜査判 事部分析ユニット長:藤原 広人さん、UNAKRT広報官:前田 優子さん)

  第6項:警察訓練支援の人身取引取り締まり強化プロジェクトについて
      (カンボジア内務省長官兼LEAPプロジェクト議長:Prum Sokha内務省長官)

  第7項:カンボジアでの地雷問題と開発について(JMASカンボジア事務所:渕上 浩美さん)
  第8項: クメール・ルージュ政権下のジェンダーに基づく暴力被害者を対象としたプロジェクトについて
      (CDPコーディネーター:Savorn Duongさん)

 第3節:見学・ツアー
  第1項:世界遺産アンコール・ワット・バイヨン2時間遺跡巡りツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第2項:アンロンベンのタ・モク博物館見学(元兵士の方より施設の説明)
  第3項:FAOが実施する保護池での魚の品種保護活動の見学(Iean Russell博士からの説明)
  第4項: かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学
      (かものはしプロジェクト現地駐在員:亀山 菜々子さん)

  第5項:UNESCO世界遺産候補サンボー・プレイ・クック遺跡ツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第6項:キリング・フィールド見学
  第7項:トゥール・スレン虐殺博物館見学
 第4節:経験・交流
  第1項:アンロンベン地区における小学校の訪問(小学校の生徒約30人との交流)
  第2項:アンロンベン地区における稲刈り体験(村長の家で農村の人々約30名)
  第3項:クーレン地区での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問(現地の医師・看護師とのQ&A)
  第5項:クーレン地区のフィールド・ファーマー・スクール訪問
      (フィールド・ファーマー・スクール実施者宅を訪問)

  第6項:オークルカエ村での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第7項:「中田厚仁さん」の軌跡(通称“アツ村”に住む村人とのQ&A)
  第8項:CSP現地参加者全体でのディスカッション(現地渡航者25名によるディスカッション)

第4章:運営報告
 第1節:プログラム実行委員会組織概要
 第2節:プログラム策定
 第3節:ロジ手配
 第4節:会計報告
 第5節:現地での保健・健康状況
 第6節:参加者による事後アンケート内容と結果
 第7節:ソーシャル・メディアの活用とアウトリーチ
 第8節: 事後報告会の実施状況

第5章:次回に向けて

参考資料:
 表1:実行委員会組織図
 表2:プログラム作成プロセス一覧(概略)
 表3:現地手配詳細
 表4:CSP参加者アンケート集計結果(2013年1月作成)