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2015年8月9日
国連フォーラム・ワシントンDC開発フォーラム
夏のオフ会in東京with GRIPSのご報告
ご報告




国連フォーラムワシントンDC開発フォーラムは、海外からの一時帰国者が多い年末・年始と夏休みの時期に合わせ、1年に2回程度のペースで、東京でのオフ会を開催してきました。

今回のオフ会は、政策研究大学院大学(GRIPS)との共催で、2015年8月9日(日)13時より、六本木のGRIPSキャンパスにて開催されました。第16回目となった本オフ会は、1日を通じて総勢167名(第一部は122名、第2部は122名)が参加する、大イベントとなりました。

本オフ会の第一部では、以下を行いました。

夕刻からは第二部として、懇親会を行いました。懇親会では、普段、メーリングリストやウェブを通して参加している方々が、互いに交流を深めました。


《第一部》パネルセッション(13時30分〜17時30分)

(1) 「ポスト・コンフリクト」を考える(スタディ・プログラム班)

一つ目のセッションは、「みんなでつくる」というモットーのもと、これまでの活動してきた国連フォーラム主催のスタディ・プログラムの概要についての説明から始まりました。2015年のスタディ・プログラムの渡航先はスリランカ。Sri Lanka Study Program(SSP)の概要および勉強会の内容についての紹介が行われ、その後、3つのテーマ(平和構築、経済、教育)について、SSPのリサーチ班から発表が行われました。

また、平和構築と経済・教育のテーマにおいて、会場全員が6つのグループ(1グループ約15人)に分けられ、各グループで議論が行われました。平和構築に関する議論テーマは「紛争が起こった国はどうしたら元気になるか?」。会場やSSP参加者からは、経済復興や民族融和、紛争の事実究明など、様々な意見が飛び交いました。

経済・教育に関しては、「日本や自身が赴任されていた国などで感じた経済・教育の格差はなんですか?その格差の解決策を考えてみてください。」というテーマで議論が行われました。会場からは、「日本の教育格差は、機会の格差ではないか。」、「ウガンダの小学校教育は有償で、男女の格差があったが、無償にしたところ女性の教育比率が大幅に上がった。」、「教育と経済はニワトリと卵。脆弱な人々が教育受けやすい環境作る必要がある。」といった幅広い国や地域に及ぶ意見が飛び交いました。

 

(2) 駐日事務所インターンとキャリアステップ(国連でインターン班)

二つ目のセッションでは、「国連駐日事務所でのインターンからキャリアを考える」をテーマとしたパネルディスカッションが行われました。
パネリストとして、UNDP駐日事務所所長の近藤哲生氏、WFP駐日事務所の中井恒二郎氏、UNICEF東京事務所インターン経験者の藤本めぐみ氏、UNICEFタイ事務所インターン経験者の柴土真季氏の4名が登壇しました。

国連駐日事務所職員の二名からは、UNDPとWFPを事例にカントリー事務所と駐日事務所の仕事内容の違いについて説明が行われました。また、インターン経験者の藤本氏からは、カントリー事務所のインターンはある程度の長い期間在籍することが求められるのに対し、駐日事務所の方が自由度が高いため、授業もありインターン期間を長く確保することが難しい学生にとっては応募しやすい、といったメリットが紹介されました。そして、インターン経験者の柴土氏からは、資金援助を得られる日本UNICEF協会のインターン制度の紹介もありました。

最後に、UNDPの近藤氏とWFPの中井氏からは、国連機関でインターンをすることに意義はあるが、必ずしも国連職員になるための絶対条件ではなく、長いスパンでキャリアステップを考え、諦めずに進んでいく姿勢・心構えが大切であるとコメントがありました。その後は、会場との活発な質疑応答が行われました。

 

(3)グローバル・コンパクト第2弾(国連とビジネス班)

第一部最後のセッションでは、国連フォーラム幹事会・国連とビジネス班企画、「シリーズ:グローバル・コンパクト」に関連するテーマが取り上げられました。(同シリーズでは、国連機関とビジネスセクターの接点とも言えるグローバル・コンパクト(GC)について、記事の発信や講演の場が設けられてきました。)

本セッションでは、グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク(GC-JN)理事の野村彰男氏と、昭和女子大学現代ビジネス研究所ご所属の甲賀聖士氏による講演が行われました。

野村理事からは、GC-JNの歩みや活動内容、成果、今後の課題について紹介がありました。特に今後の課題としては、中小企業の参加率が低いこと、有名大企業でも参加していない企業があることが挙げられました。GC-JNも達成に向けて取り組んでいるSustainable Development Goals(SDGs)に関しては、途上国に限らずあらゆる国が自分のこととして取り組むべき内容が多いことが強調されました。

甲賀氏からは、グローバル・コンパクトとビジネスの関わり方・企業の考え方等についての個人としての考えが共有され、今後の研究や活動に生かせる議論の場を提供することを目的として講演が行われました。具体的には、GCの特徴、国連・企業のパートナーシップの背景、GCの力学、見落としがちな点、そしてGC-JNの分科会に見る問題点がカバーされました。

その後の質疑応答では、「効果測定はやっているのか」などの具体的な質問に、両氏が答えました。

    

《第二部》懇親立食会(18時30分〜21時)

第二部からは、想海樓ホールからABC部屋に移り、立食形式で懇談会が行われました。

立食懇親会は、本オフ会の共催者のGRIPSの園部先生の挨拶と乾杯の音頭で幕を開けました。園部先生からは、「GRIPSは戦前には大日本帝国陸軍の歩兵第3連隊の駐屯地が置かれていたが、戦後70年後の現在では、こうして国際協力に関心を持つ学生や実務者の皆さんが集うイベントを提供できた」と、喜びのコメントがありました。

第二部は、第一部に参加できなかった方も多数参加し、互いの近況報告やネットワーキングの場として、そして第一部のセッションの内容について更に意見を交わす場として、非常に有意義な機会となりました。

第二部は、共催者・DC開発フォーラムの真鍋氏からの閉会挨拶でしめくくられました。真鍋氏からは、オフ会に参加した学生時代は、ベテランにフィールドの様子を聞く立場にあったが、今は立場が変わり、自身が聞かれる側になったこと、そして、イラクに2年間駐在した期間中に、オフ会で出会った仲間とSNSやスカイプで話すことが息抜きであったことなど、オフ会での出会いの貴重さやオフ会への思いが語られました。そして、あたたかく盛大な拍手の中、2015年夏のオフ会は閉会となりました。
参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

    

(オフ会 報告担当:鈴木結衣 / ウェブ掲載担当:藤田綾)

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【参考】主催者について

国連フォーラムは、国連のことをもっと知りたい、国連の活動に貢献したいと考えている実務者、研究者、学生、メディア関係者など幅広い人々を対象として、国連についての 知識を得、議論に参加し、さらには活動に参画する場を提供することを目標としています。さらに、 議論の深化と発信を通じて、参加者にとって有意義な変化を引き出すことを目標としています。
http://www.unforum.org


ワシントンDC開発フォーラムは、グローバルな開発戦略と日本の関わりについて考え、行動に移すための関係者の情報交換・意見交換の場です。フォーラムを通じての交流は、日本や途上国、国際機関所在地など世界各地に広がっています。様々な開発関係者が、組織や場所の制約を超えて情報と知見、更には情熱と気概を共有し深化させることが出来れば、大変嬉しく思います。
http://www.devforum.jp

 


 

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