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カンボジア・スタディ・プログラム報告書(目次はページ下にあります)

第4章:運営報告

第3節:ロジ手配


  1. 総括

ロジ担当者が複数に渡ることは各行程で綿密な準備ができるメリットがある一方でその担当者間のやりとり・責任の所在の明確化が必要になることに注意すべきである。各メリット・デメリットおよび、安全面を考慮してツアーの要求内容のバランスを検討する必要がある 国連フォーラムとして特に責任の所在について議論を行なっておくべきではないか。この手のプログラムを継続して行うためにどこまでフォーラムが責任を負うのか、どこまで委託するのか、参加者はどのような認識でいるべきかについて明確にされているとよい。そのためにも、プログラムの集合および解散についてはシンプルにするなど工夫が必要である。詳しくは、後述の参照資料「表3:現地手配詳細」を参照いただきたい。

  1. 具体的な運営報告

(1)概要

今回の特徴はカンボジアの中でも訪問地が複数にまたがったことである。オプションではタイからの陸路での国境越えという経路もあったため、ロジ手配は複雑であった。また公式集合を18日の昼に設定したが実質的には前日の非公式夕食会でほとんどが現地入りをし、その前のオプションですでに集団による移動が存在しているなど、公式集合前にもいろいろなロジ手配が必要になっていた。出入国日程・時間や緊急連絡先、アレルギー情報等は策定・ロジ班が事前アンケートをとり把握していた。

そこで、ロジ手配の部分を確実におよび補強する目的で、メイン行程は現地旅行業界に精通している方(吉川さん)と業務委託契約を締結し、主には@FAO、A委託先、Bオプション班などの参加者担当の3つで主にロジ部分を担当していたといえる。

(2)各手配によるメリット・デメリット

  • FAOなど国際機関による手配
    • 通常ではできない手配・多少無理な手配も通すことができる場合がある。
    • やりとりを通じて参加者と国連機関関係者の間において事前に関係性の構築ができる。
    • いわゆる国際機関という存在の力に依存してしまうため、その中でどれほどのやりとりがなされているのか、どのようなパワーがはたらいてロジが可能になっているか参加者が把握しづらい。主体的な手配感が薄まるおそれがある。
    • コミュニケーションのやりとりに十分対応できる人物が必要。
  • 外部委託による手配
    • 現地の相場観や土地勘、タイムライン、安全面等に関する経験豊富な見識に基づいて、予約手配を行うことができる。また、上記見識からアドバイスを受けることができる。
    • ネットからのみでは不安の残る途上国での予約手配について確実に準備することができる。
    • 特殊・複雑な手配にも対応してくれる場合がある。(委託先による)またトラブル時に対応を依頼できる。
    • コストがかかる。
    • 担当者とのコミュニケーション方法の認識(参加者がどこまで意思決定に関われるのか等)のすり合わせが必須である。またそのようなコミュニケーションに応じてくださる人物を見つける必要がある
  • 参加者による手配
    • 学びの機会になる。ロジ手配を通じて現地調査、現地とのやりとりが発生するため。ロジ手配にも主体性を持って取り組むことができる。
    • 希望等を反映させた手配がしやすい。
    • 現地の相場観や土地勘、タイムライン、安全面等に関しての見識がないため手配担当者に負担がかかる(不安を感じる、料金の前払い等についても負担がかかる)。
    • 手配が確実に行われているかどうか不安が残る。

【上記を踏まえてのコン・プロ】

コン・プロ

●上記それぞれのメリット・デメリットがある中で各種行程に応じて担当がいたことでバランスよく手配をお願いすることができた。メインの行程以外にも吉川さんにアドバイスを求めることができた。
●車両に関しては一貫して外部委託先の手配にすることで、滞りなく行程を進めることができた。
●一方で各担当者間のやり取り(とくにFAO部分と吉川さんの部分)が必要であった。

 

(3)業務委託契約に関して

  • 契約書の締結に時間がかかってしまったため依頼する場合は事前に準備することが望ましい。
    • 行程を決めていく中でロジ手配の担当部分に変更が出てくる場合もあるため、そのような場合に備えた条項を用意しておくべきである。
  • 責任の所在に関する議論をできるだけ事前に、詳細に行うべきである。
    • 基本的に、個人の有志が集まって行なっている本企画において、責任の所在を明確にすることに困難が生じていると考えられる。
    • 例えば、今回の行程では、手配担当者が複数に渡っているため、行程によって責任を担う箇所にギャップが生じてくる。
      • 国際機関担当手配部分に関するトラブルは外部委託先が追うことは難しい。
      • 車両手配は一貫して外部委託先の担当であったが一方で行路の詳細な検討は国際機関に任されていた。仮にその行程でトラブルが生じた際にどのように事態をとらえるのか等についても、国際機関および外部委託先と詳しく議論しておくべきであったといえる。
      • 今回は、業務委託契約書14条「旅程参加者が、プログラムの催行に際して罹患した傷病及びその治療に要した金額については、乙の故意又は重大な過失による場合を除き、乙の損害賠償義務を免除する」という免責条項によって合意を得たものの、これでは契約に応じない委託先があっても不思議ではない。
  • ベストは外部委託先であった吉川さんのような方が全行程に添乗することである。必要であるならばその条件を委託業務にも盛り込んでおくべきである。
    • ただ今回は次善の策として、外部委託先である吉川さんとFAOの担当者と事前にMTGの場を設けロジについて対面で確認を行っていただいた点、全行程に関して電話での確認に応じてくれていた点は考慮すべき。
    • しかし、トラブルがあった際の対処法について事前に説明があるべきであった。今回プノンペンのガイドには問題があったといってよい。その場合、不安を感じた時点で連絡しガイドの交代を要請できるなど、対処法についても明確にできていれば改善できた。

(4)航空券手配/集合について

  • 集合時間を揃えるべき/まったくの現地集合に徹底するのがよいのではないか
    • 各人のフライトスケジュールの把握は非効率的であるとともにホテル到着までの安全面の担保についてはロジ・策定班担当者が追うことは負担が大きいと考えられる。
    • 安全面を考慮するのであれば、航空券を完全に旅行会社に依頼して共同購入し現地入りの時間を揃えるべきではないか。
    • ないしは、全くの現地集合(今回であればホテルに11:45など)にしてそこまでの手配はロジ・策定班の範疇には及ばないものとするべき。(しかしこの場合の治安・安全面はやはり看過できないのではないか。となれば上記のように現地入りの時間を揃えるべきでは?)
    • 今回も、事前アンケートで到着時間を把握していたがその時間に集合できない参加者が存在した。その点でロジ・策定班は安否の確認に物理的・精神的にも懸念を持ったまま行程を進める必要があった。また到着時間によって個別送迎を必要とする場合もあった。
  • またもし集合時間を揃えない場合、航空券の共同購入はあまり効率的ではない
    • 金銭的に共同購入担当者の負担がかかる、共同購入することで価格があがる可能性がある。
    • 今回はオプション行程にかかる空路移動者のみ、同じ時間帯のチケット取得を行った。シェムリアップ到着後の移動の安全面・ロジの簡略化といった理由から。しかし各人で同じ航空券を購入するのは非効率的であったといえる。(特に今回は陸路空路のオプションがあったために、意思決定が遅れたため急遽、空路移動者は一斉に購入することが必要になった)
  1. 今後の課題と提案
  • 今回の手配は現地旅行会社では到底対応できない(あるいはVIP待遇と同等のツアー要求の)ものである。
  • 有志の個人が集まるツアーであるとはいえ、一部担当者がメインで行程を組み、それに沿って集団が行動している以上は、何かトラブルがあった際に個人の責任というだけでは不十分な点が出てくる。
  • 手配担当者間およびフォーラム内部でも本プログラムにおいてどのように責任の配分を行うのかを議論しておくのが良い。また安全面に関するレクチャーや注意事項の説明を実施するなどし個人にかかる責任の所在を明確にしておくのも必要ではないか。
  • 安全を担保できない点があるのであれば、ツアーの要求レベルを少し下げることも考慮する心づもりでいたほうがよい。

 



カバーページ
目次と第1章「はじめに」

第2章:渡航前事前勉強会
 第1節:第一回勉強会
 第2節:第二回勉強会
 第3節:第三回勉強会
 第4節:第四回勉強会

第3章:現地プログラム
 第1節:概要・全体マップ
 第2節:ブリーフィング
  第1項: アジア太平洋地域の食料安全保障について(FAOアジア太平洋地域代表兼事務所所長:小沼 廣幸さん)
  第2項:ユネスコの文化遺産保存と当該国への影響・意識について
      (元ユネスコ職員、JSPSバンコク事務所長:山下 邦明さん)

  第3項:MALISプロジェクト概要について(FAOカンボジア事務局プロジェクト・マネージャー:Iean Russell博士
  第4項:農民の収益向上への農協の取り組みについて(6名の農協運営メンバー)
  第5項:カンボジア特別法廷と国際刑事裁判について
      (UNAKRT捜査判 事部分析ユニット長:藤原 広人さん、UNAKRT広報官:前田 優子さん)

  第6項:警察訓練支援の人身取引取り締まり強化プロジェクトについて
      (カンボジア内務省長官兼LEAPプロジェクト議長:Prum Sokha内務省長官)

  第7項:カンボジアでの地雷問題と開発について(JMASカンボジア事務所:渕上 浩美さん)
  第8項: クメール・ルージュ政権下のジェンダーに基づく暴力被害者を対象としたプロジェクトについて
      (CDPコーディネーター:Savorn Duongさん)

 第3節:見学・ツアー
  第1項:世界遺産アンコール・ワット・バイヨン2時間遺跡巡りツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第2項:アンロンベンのタ・モク博物館見学(元兵士の方より施設の説明)
  第3項:FAOが実施する保護池での魚の品種保護活動の見学(Iean Russell博士からの説明)
  第4項: かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー支援活動の見学
      (かものはしプロジェクト現地駐在員:亀山 菜々子さん)

  第5項:UNESCO世界遺産候補サンボー・プレイ・クック遺跡ツアー(JASA広報担当:吉川 舞さん)
  第6項:キリング・フィールド見学
  第7項:トゥール・スレン虐殺博物館見学
 第4節:経験・交流
  第1項:アンロンベン地区における小学校の訪問(小学校の生徒約30人との交流)
  第2項:アンロンベン地区における稲刈り体験(村長の家で農村の人々約30名)
  第3項:クーレン地区での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第4項:クーレン地区のヘルスセンター訪問(現地の医師・看護師とのQ&A)
  第5項:クーレン地区のフィールド・ファーマー・スクール訪問
      (フィールド・ファーマー・スクール実施者宅を訪問)

  第6項:オークルカエ村での農村宿泊体験(水も電気もない村での宿泊)
  第7項:「中田厚仁さん」の軌跡(通称“アツ村”に住む村人とのQ&A)
  第8項:CSP現地参加者全体でのディスカッション(現地渡航者25名によるディスカッション)

第4章:運営報告
 第1節:プログラム実行委員会組織概要
 第2節:プログラム策定
 第3節:ロジ手配
 第4節:会計報告
 第5節:現地での保健・健康状況
 第6節:参加者による事後アンケート内容と結果
 第7節:ソーシャル・メディアの活用とアウトリーチ
 第8節: 事後報告会の実施状況

第5章:次回に向けて

参考資料:
 表1:実行委員会組織図
 表2:プログラム作成プロセス一覧(概略)
 表3:現地手配詳細
 表4:CSP参加者アンケート集計結果(2013年1月作成)