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インターン先:
国連事務局ニューヨーク本部 広報局
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第31回
近藤 篤史さん
インターン先:
国連事務局ニューヨーク本部
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SPFIIスタッフによるサプライズ・バースデー・パーティー

第40回 田辺 陽子(たなべ ようこ)さん

コロンビア大学教育大学院・比較国際教育学専攻 修士修了
インターン先:国連本部 経済社会局・先住問題常設フォーラム事務局
期間:2010年1月18日〜4月30日

■はじめに■

2年間を予定していたアメリカ留学最後の学期に、私はニューヨークの国連本部・経済社会局(DESA :Department of Economic and Social Affairs)内にある「先住問題常設フォーラム事務局(SPFII)」でインターンシップを行いました。3か月半という限られた期間の体験談ではありますが、これから国連本部のインターンシップ・プログラムに応募される方の参考になれば幸いです。

■インターンシップ応募の経緯とアドバイス■

国連本部のインターンシップ・プログラムにはぜひ応募したいと留学前に決めていましたが、現在の部署を見つけてから実際に働き始めるまでには紆余曲折がありました。というのも、前年の早夏に秋期インターンシップのオファーメールを頂いていたようですが、当時の私はカンボジアの農村で調査中だったためにインターネットアクセスがなく、インターンシップ・オフィスに断ったと思われてしまったのです。したがって、これから国連本部のインターンに応募する方は、オファーが来たら速やか(遅くとも2週間以内)に返事をしないと取り消されてしまうので注意が必要です。事前に秋期インターンシップの方が総会の時期とも重なるので面白いと知人に勧められていたため、その時期を逃してしまったことを残念に思いました。しかし、春期だったからこそ年に一度の先住問題常設フォーラム(第9会期)に参加できたので、結果的にはこの時期にインターンを経験できて良かったと思っています。

次にインターンシップの応募・選考過程に関してですが、私は国連内部に知り合いがいたほうが有利だと聞いていましたし、インターンをしたいと思っていた分野が大学院での研究内容とも重なっていたので、応募する前年から様々な活動に積極的に参加していました。具体的にはSPFIIの外部イベントに参加してスタッフに顔を覚えてもらったり、2009年5月にあった先住問題常設会議(第8会期)にボランティアとして参加をしました。国連インターンシップに「ロスター制度」はないので、世界中から殺到する応募書類の中でキラッと光るものを準備すること、それから本部内にそれを理解してサポートをしてくれる方を見つけること。この2点が確実にオファーをいただくためには重要になってきます。私はこの点をクリアしてからオンライン上の採用システム「GALAXY」(現在は「INSPIRA」)を通じて応募し、無事にオファーをいただくことができました。また、SPFIIのチーフと次席である私のスーパーバイザーには既にお会いしていたので、インターンシップを開始してからもそれほど緊張せずに仕事をすることができ、事前に面識を持っておいて良かったと思いました。

インターンシップ・オフィスのとった統計によると、2010年春期の応募総数は約3500名で、その内219名がインターンとして採用されました(一般未公表資料・夏期の応募者数はこの約2倍とのこと)。応募の経緯について知り合いのインターンに話を聞いたところ、国連職員である知人のサポートを受けた人や、知り合いはいなくても熱意のこもったカバーレターを書いて受かった人と千差万別のようです。ただ個人的に思うのは、私の周りにいるインターンには専門的な知識や興味を持っているだけではなく、それを本部のどこの局・部署で活用できるのか、または活かしたいのかを分かっている人が多いということです。したがって、応募書類を書く時にはこれまでの経歴に加えて、希望部署名やその部署との自分の研究とのつながりなどについて、なるべく具体的に書くことをお勧めします。その際に、どの部署がインターンを募集しているかという内部情報が事前に分かればさらに有利だと思います。


オリエンテーションで知り合ったインターンたちと一緒に撮影

■インターンシップの内容■

先住問題常設フォーラム

先住問題常設フォーラム(PFII)は2000年に経済社会理事会(ECOSOC)の諮問機関として発足し、2002年5月に第1会期が初めて行われて以降、毎年春にNYの国連本部で約2週間にわたって開催されています。その主な使命は、@ECOSOC諮問機関として先住民族を取り巻く諸問題―経済社会開発や文化、環境、教育、保健、人権など―について国連システムに助言や勧告を与えること、A先住問題に対する意識を高め、国連諸機関内における調整を促進すること、B先住問題に関する情報や資料を準備作成することです。フォーラム委員の構成をみると、16名の委員の内半数が政府推薦を経てECOSOCにより選出された委員、残りの半数がECOSOC議長によって任命された先住民族代表の委員となっています。日本からは東京大学の岩沢雄司教授が2002年から2004年までフォーラム委員を務められました。

今年のPFIIは4月中旬に第9会期を迎え、「Development with Culture and Identity」というテーマで先住民族の権利に関する国連宣言(UNDRIP)第3条【自己決定権】と第32条【土地や領域、資源に関する発展の権利と開発プロジェクトへの事前合意(FPIC=Free Prior and Informed Consent)】を中心に様々な議論が交わされました。PFIIの何よりもユニークな点は政府代表部、国連機関、ECOSOCとの協議資格を得た先住民族NGOなどの参加者(オブザーバー)が同じ場所で対等に発言し、会期ごとに設定されたテーマについて協議をする機会を得ていることです。特に今会期のテーマに関しては、気候変動などの環境問題と先住民族の精神文化面から見たFPICの重要性について数多くの意見が出ました。(※補足説明1)また、生態系の破壊や生物多様性の喪失、先住民族の言語・文化・知識の消失といった「開発」の代償が、GDPを基本とする経済開発指標からはすっかり抜け落ちてしまっていると危惧する意見が先住民族参加者から出ました。誰のための「開発」なのかを考えさせられる一幕でした。

 

PFIIオープニング・セレモニーにおける潘基文国連事務総長

事務局における私の仕事

私が配属された先住問題常設フォーラム事務局(SPFII)はPFIIを後方支援するために2003年にできた比較的新しい部署で、経済社会局の社会政策・開発課(DSPD:Division for Social Policy and Development)内にあります。事務局の基本的な役割は上記に述べたPFIIの使命と直結しており、年間を通してPFIIの準備作業や各委員への支援、国連機関内の連絡調整業務に従事しています。その他に「第2次・世界の先住民族の国際10年」に関する様々な業務や先住民族に関する出版物の発行も行っています。2010年5月現在、事務局には9名の国連スタッフが所属しています。

3か月間のインターンシップ期間中に私が担当させていただいた主な仕事は、@「先住問題信託基金」内の小規模融資プログラム(SGP)に関する業務、APFII第9会期に関する業務(特にサイド・イベント)です。@はインターン当初から担当させてもらいました。この基金は2009年時点で日本政府を含め約15か国が拠出しており、「第2次国際先住民族の10年行動計画」で掲げられた先住民族が直面している諸問題の解決に向けSGPや国連のカントリーチームへの能力開発、PFII会期中の文化イベントなどに活用されています。私が@で担当したSGPは、先住民族コミュニティや市民社会団体のエンパワーメントを促進することに主眼を置いており、先住民族を対象とした人権、教育、文化、健康、環境、経済社会開発分野のプロジェクト1件に付き、1年間平均で$10,000(約90万円)ほどの融資を行っています。毎年夏から秋にかけてプロジェクト企画書と融資申請書の受付を行い、その後の予備審査を経て、翌春のPFII開始前に融資プロジェクトを決定するための会議を開きます。2010年度は例年になく709通もの申請書が届きましたが、そのうち要件を満たしていたものは272通でした。南米地域からの申請書も半数近くありました。

私はスペイン語を流暢に話せるとは言えないのですが、大学時代に第二外国語として学んでいたこともあり読解力なら少しある旨を話したところ、上司から予備審査を得たスペイン語の申請書の要約シートを作成するよう指示を受けました。これは必要な項目について本文から拾って2ページ程にまとめるだけなのですが、南米のどの地域でどのような問題が起こっているのか、それに対してどのようなプロジェクトが行われようとしているのか、そしてどのような予算が組まれているのか、など草の根の活動について見識を広げることができました。簡単なマトリックスで重要項目の事前評価を行うことも任されたので、草の根プロジェクトの評価方法について学ぶことができ、またスペイン語の読解力強化にも繋がり大変為になったと思います。その他、@に関しては、将来的にPFII事務局ホームページへSGP情報を掲載する予定だったので、2007年度と2008年度に融資を受けたプロジェクトの報告書を読み、概要を英語で10行ほどにまとめる作業も適宜行いました。

Aに関しては、PFII会期期間前の準備作業と会期期間中の業務に分けられます。前者については、例えばフォーラム参加者の為のロジスティック情報の作成、SGPサイド・イベントへの招待状作成、会期期間中に配布する書類作成とコピーなどを行いました。またPFII直前には2010年度SGPの融資プロジェクトを決定する重要な会議もあり、その準備や議事録作成に追われました。この会議では予備審査を通ったSGPプロジェクト申請書を常設フォーラム委員の中から選ばれたメンバーが協議し、最終的にその年の信託基金予算額に見合う数だけ選びます。数日間の会議を通して見識あるメンバーの様々な意見を聞くことができ、またプロジェクト評価のポイントについて新たな発見がありました。それから、PFII開始前にフォーラムメンバーと小さな空間で知り合うことができ、コーヒーを飲みながら率直に意見交換ができたことは有益だったと思います。

PFII会期期間中は基本的に裏方の仕事(配布資料準備や入場パス配布、スピーカーズ・リスト受付など)とサイド・イベント関連の仕事を担当しました。今年は2週間で80近いサイド・イベントのスケジュールが組まれたので、国連本部以外のビルでも進行補助が必要となったのです。アイスランドの噴火の影響を受けた突然のイベント・キャンセルなどもありましたが、3月から加わった新しい2名のインターンと3人で協力しあってほぼ全てのサイド・イベントを無事に開催することができました。SPFIIは9名のスタッフの内3名がジェネラル・サービススタッフなので、2週間にわたる長丁場の会議をプロフェッショナル・スタッフ6名で動かしていることになります。そのため、この少数精鋭部隊における仕事の分担はかなり明確になされていて、インターンであっても責任ある仕事を任されやりがいがありました。会期直前に他のインターンの仕事を手伝って深夜近くまで残って働いた時などは、雑務に際限がなく泣き笑いの状況でした。しかしそうした日々があったからこそ本当の意味で「同僚」と呼ぶことのできる関係を築くことができたのだと思いますし、今振り返るとすべてが忘れ難い良い思い出となっています。

それから最後に、インターンによる委員会活動についても触れたいと思います。本来の業務以外の活動ですが、国連本部インターンシップ・プログラムでは有志が集まって様々な委員会活動が行われています。その内の一つにインターンの政府代表部訪問委員会というものがあり、春期インターンシップ期間内に延べ30以上の政府代表部訪問を実現させました。私も国連日本政府代表部への訪問を担当し、もう一人の日本人インターンの徳永さんと一緒に参加希望者の調整などを行いました。当日は、奥田大使がご多忙のなか時間を割いて日本政府代表部の重点外交課題について大変分かりやすいブリーフィングを行って下さいました。これらの活動を通じて知り合ったインターンとの輪はインターン終了後も続いていますし、部署以外にも語学パートナーを見つけてランチの時間に勉強したりと、自ら動くことで多彩な人々と出会うことができると実感しました。

 

先住問題常設フォーラム第9会期開始前に総会会議場にて撮影

■国連インターンBefore After■

正直なところ、私は初め国連本部インターンシップ・プログラムにあまり期待はしていませんでした。もちろん上司数名とは面識があり信頼はしていましたが、国連という巨大組織においてインターンが任される仕事など大したことはないだろうし、扱いもぞんざいなのではと思っていたからです。ところが、チーフやスタッフは国連事務局やSPFIIについての理解が深まるようにと、最初の1週間インターンである私に対して特に配慮して下さいました。インターン開始3日目の午前中には、チーフとある先住民族の部族長とのミーティングに同伴させていただき、SPFIIの国連における位置づけや存在意義、業務範囲の広さを一から確認することができました。その後もチーフには、他部署・他機関でSPFIIに関するプレゼンテーションをする時にはよく一緒に連れて行っていただきました。また、SPFIIはスタッフの仲が良く誕生日があるごとにサプライズ・パーティーを開きます。私はそのことを知らなかったので、部内ミーティングと言われてチーフの部屋に入った途端に誕生日のお祝いをされて心底驚きました。まさか、インターンのためにお花やケーキ、さらにはスタッフが手作りのクッキーを作ってきてくれるとは想像もしていなかったのです。まるで家族のように温かく私を迎えてくださったチーフやスタッフのお陰で、「事務的・官僚的」という国連に対する私のイメージはかなり変化しました。

とは言え、良いことばかりではありません。例えば政府代表部への招待状作成では、DESA高官の署名と校正担当部署との調整が必要となり苦労しました。原案は上司が書いていたので安心していたところ、そのあと私が校正担当者との間で微調整をすることになったのです。修正すること自体は問題ないのですが、1週間かけて少しずつ訂正せざるを得なくなっただけでなく最後に大きな修正を迫られました。こちらも期限が迫っていましたし、同じ文書を数か所ずつ手直しさせる位なら初めから訂正箇所を全て記してもらえればより効率がよかったはずです。「国連は部署の当たり・はずれが激しい」とも聞きますが、振り返れば全般的にチーフや同僚に恵まれて大変充実したインターンシップを行うことができたと思います。

また、スタッフの一員として働く内に「SPFIIの活動に対してより広範な人々からの認知と支援があれば」という気持ちの変化が生じました。例えば私が担当した「先住民族信託基金」は各国政府の自発的な意思による拠出なので、支援をしてくれる国はまだまだ少数派です(その点で日本政府の年間拠出金額は100万円にも満たないものですが、支援していること自体は特筆に値すると思います)。この基金は先住問題に取り組んでいる草の根の市民社会に対して素晴らしい貢献になりますが、基金の予算が少なく十分に融資できないことが課題となっています。例えば、2010年度5月時点で融資対象となったプロジェクト数は全世界でわずか8つでした。要件を満たした250余の申請書数からすると少なすぎると言わざるを得ません。

先住問題は、途上国の貧困や教育、保健分野におけるミレニアム開発目標の達成という側面からも看過できません。中でも、昨今特に関心が高まっている生物多様性の保全について、世界の先住民族コミュニティが蓄積してきた知識や生活文化が見直されてきています。今後は環境保全分野で国際的な連携や知識の共有がますます重要になるでしょう。これは私の個人的な見解ですが、2010年10月に名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)議長国である日本など、自然との共生を掲げるドナーからこの問題に対してより大きな関心や援助があっても良いのではないかと思います。インターンを始めるまではこのように考えたこともなかったので(基金の存在すら知りませんでした)、SPFIIが国連事務局内でどのように機能しているのか、その役割を直に肌で感じることができたことが一番の収穫です。

■今後と将来の展望■

2010年5月にコロンビア大学教育大学院を修了した後は、海外の博士課程に進学予定です。もともと東南アジアの少数先住民族の「教育と開発」に関心がありテーマとしてきたのですが、今後はPFIIで培った人脈を生かしながら「UNDRIP」採択後のアジア各国における教育政策について比較研究を行いたいと思っています。「先住民族」に関しては国際的に確立された定義がありませんし、歴史的な経緯も権利の獲得状況も一様ではありません。しかしながら、2007年9月に「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されてから世界中でうねり始めている変化の渦が、今後どのような形をとるのかに私は注目をしています。(※補足説明2)短期的な課題としては、来年のPFII第10会期で参加者やフォーラム委員とより建設的な議論ができるように、博士学生として知的に成長していきたいです。そのほかにも、先住問題に対する理解や関心を深めてもらえるよう内外に情報発信し、特に常設フォーラムに日本からもっと多くのアイヌ民族の参加者(特に若者)が出席できるよう関連諸機関の理解や援助をいただきたいとも考えています。

■これからインターンを希望する方へのメッセージ■

今回の私の体験談はショーケースの中の一つでしかなく、またかなり限定された業務を扱っている部署なので他の方の参考になるか心もとない限りです。ただ、国連でのインターンシップが希望通りの結果となるかどうかは最初の目標設定にあると思います。フィールド・オフィスか国連本部かなどターゲットとする機関によって変わってくるかとは思いますが、通常2か月(延長6か月まで可)という短い期間で絶対に得たいもの、または成し遂げたいことを決めておくのは大切です。それから、事前に希望部署の出版物などを読んでバックグラウンドを掴んでおくだけでも、業務にすんなり入りやすくなると思います。とは言っても、何を任されるかは上司次第ですし、臨機応変に与えられたものを一生懸命こなすことが基本になります。日本人はそうしたことは得意ですし、予定通りに業務を遂行する能力への評価は高いので自信を持って臨んでいただければと思います。

私の目的は自分の研究テーマに一番近い国連部署でインターンをすることだったので、就職活動についてはあまり考えませんでした。しかし、実際は国連での就職活動が主な目的で参加するインターンも多いですし、内部事情を知っていること(+いい印象/結果を残すこと)は将来必ず有利に働くと思います。インターンからコンサルタントになったというケースも聞いているので、就職目的の場合には事務局内で自由にパスを使って色々な人と出会える間に自分を売り込むことが必要だと思います。私は先住民族研究に関して一流の有識者であるフォーラムメンバーと知り合うことができ、今後の研究にとっても大きなプラスとなりました。また、世界中の先住民族市民団体と直接会って質問や情報交換ができる貴重な機会は滅多にないので、PFII会期中は特に夢のような2週間でした。インターンシップは完全無給で交通費の支給もありません。それでも、それを補ってなお余りある価値があると私は思います。国連本部のインターンシップ・オフィスは、オリエンテーションから始まりしっかりとしたプログラムを組んでくれています。目標をしっかり持って、自分らしいインターンシップの経験を積むことが大切だと思います。

■最後に■

今回の貴重な体験を通して多くの尊敬できる国連職員の方々と出会い、励ましや薫陶を受けたことは、私にとって大きな宝物です。本当にありがとうございました。この場をお借りして深く御礼を申し上げます。また、最後になりますがPFIIにインターンとして参加し、世界各国からやってきた約2000名の先住民族の人々と一緒に場を共有できたこと、そして今後研究を進める上で多くのインスピレーションを与えてくれたこのインターンシップ・プログラムに感謝の意を表したいと思います。

 

国連本部ビル

【補足説明】

1.例えば、日本のNGO「市民外交センター」は、北海道紋別市が計画している産業廃棄物の最終処分場の建設を批判する声明をアジアの先住民族団体と共同で出し、アイヌ文化にとって特別な意味を持つ紋別川における開発について、アイヌの人たちとの事前合意抜きで開発を進めようとしていることがUNDRIPに明記されている先住民族の権利侵害にあたると訴えました。

2.日本を例にとれば、2008年6月に参院本会議で「アイヌ民族 を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で可決。その後、同年8月から「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が開催され、2009年7月に最終報告書が提出されました。同報告書を受け、2010年1月にはアイヌ政策を推進するための初会合「アイヌ政策推進会議」が開かれています。

<参考資料>

UNPFIIホームページ

http://www.un.org//esa/socdev/unpfii/index.html

「信託基金」についての外務省資料(2007年度)

http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/GAIKO/oda/shiryo/sonota/k_kikan_21/pdfs/025.pdf

(2011年1月9日掲載 担当:桐谷 ウェブ掲載:由尾)

 



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